初期の子宮頸がんはほとんど自覚症状がありませんので、症状が何もなくても、気軽に20代から定期検診を受けることをおすすめします。
定期的に検診を行って子宮頸がんを早期発見できれば、子宮を残すような手術を行うこともできますので、将来の妊娠、出産も十分に可能となります。
なお、不正出血のような症状がある場合や、少しでも気になる症状がある時は遠慮せず受診することをおすすめします。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV: Human Papilloma Virus)というウイルスの持続感染が原因で引き起こされます。
HPVには100種類以上もの型がありますが、全ての型が子宮頸がんの原因になるわけではありません。
子宮頸がんの発生に関与するHPVは14種類であるとされ、高リスク型と呼ばれています。
このほかに良性病変である尖圭コンジローマは、2種類の HPVによって引き起こされます。
日本では子宮頸がんに年間約1万人がかかり、約2,800人が亡くなっており、患者数、死亡者数ともに近年増加傾向にあります。
特に20〜30代の若い世代で増加しており、妊娠前や妊娠中に子宮の手術をすることになったり、残念ではありますが亡くなる方もいます。 そこで、厚生労働省は2004年から、子宮頸がん検診の対象年齢を従来の「30歳以上」から「20歳以上」に引き下げました。
HPVは性交渉により感染します。
女性の生涯で50〜80%が感染するといわれており、感染が珍しいわけではありません。
感染しても多くの場合、その人の免疫力によってウイルスが体内から排除されますが、10人に1人くらいはウイルスが排除されずに感染が長期化(持続感染)することがあります。
この場合、ごく一部の人では長い年月(ウイルス感染から平均で数年~10年以上)をかけ、前がん状態(異形成と呼ばれる)から子宮頸がんへと進行することがあります。
つまり、子宮頸がんとは多くの方が感染するHPVの感染が消失せずに長期化したときに、ごくまれに起こる病気なのです。
当院ではLBC(Liquid Based Cytology)法/で子宮がん検診を行っております。 LBC法では細胞の採取に専用ブラシを用います。
採取された細胞を無駄にすることなく診断に必要な細胞をスライドガラスに塗抹でき、細胞採取やスライドガラスへの塗り方のばらつきもなくなりますので、再検査がほとんどなくなることによって、女性の体への負担や精神的不安を軽減することが期待されます。 また、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査もLBC法で採取された細胞の残りを用いて行えるので、患者さんへの負担が少なく大変便利です。
乳腺ドックを同日に受けることもできます。お電話にてご予約ください。
くぼのやセット(乳腺ドック・子宮頸がん検診のセット) | |
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内容 | 子宮頸部細胞診・マンモグラフィ・乳房超音波検査 |
費用 | 12,400円 |
子宮頸がんワクチンはHPVの感染を予防するものであり、すでに感染しているHPVを治療する効果はありません。
そのため、性交渉を行う前に接種することが最も効果的です。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種を迷われている方は、当院オリジナルのリーフレットをぜひご覧ください。
「将来のために、親子で知ってほしい子宮頸がんとHPVワクチン」
シルガード9 (9価) |
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予防可能な HPVの型と割合 | 高リスク型:16、18、31、33、45、52、58 低リスク型:6、11 |
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約90%以上 | |||
接種対象者 | 9歳以上15歳未満の女性 | 15歳以上の女性 | |
接種回数 | 2回 | 3回 | 3回 |
2回目以降の 接種間隔 | 2回目: 初回から6か月後 | 2回目: 初回から2か月後 3回目: 初回から6か月後 ※2回目から3回目は、 必ず3か月以上あける | 2回目: 初回から2か月後 3回目: 初回から6か月後 ※2回目から3回目は、 必ず3か月以上あける |
公費助成 | 定期接種対象者(小学校6年生~高校1年生相当の女子) キャッチアップ接種対象者(平成9年4月2日〜平成19年4月1日生まれの女性) |
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料金 | 30,000円/回 ※公費助成の対象者は無料 |
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予約方法 | WEB予約 「診察」→「婦人科」→「子宮頸がんワクチン」 |
※高リスク型:子宮頸がんの原因となるウイルス、低リスク型:尖圭コンジローマの原因となるウイルス
※当院ではシルガード9を扱っています。
定期接種、キャッチアップ接種を受ける場合は、各自治体のホームページ等で持ち物をご確認ください。